魔法使いの弟子の見習い書記官の「研究手帖」

オーディオドラマ化された山田章博作品

<開設 2018/05/03 → 最終更新 2018/05/03>



□ ラジオドラマ番組「夢のひととき」の世界

山田章博先生の作品を原作として仕立てられたオーディオドラマといえば、マリン・エンタテインメントから2004年に発売されたドラマCD「BEAST of EAST~異聞・東方眩暈録~」を思い起こされる方が多いと思われますが、そのライナーノートに掲載された山田先生による「挙句」には、『これまでに自分の書いたものを音で聴くという事がない訳ではありません』とあります。「では、それ以前にオーディオドラマ化された作品とは?」と調べていくと、1980年代後半に放送されたラジオドラマ「夢のひととき」に行き当たります。この番組の中では、「バンブー・ハウス」「ふぁんたすてぃか」「ランデブー(Rendezvous-逢瀬-)」の3作品が、オーディオドラマ化され電波に乗りました。


「夢のひととき」は、FM東京系のラジオ番組。1985年4月1日に番組名「星のショットグラス」(提供:日本信販/月~金 23:30~23:40)として放送がはじまり、1985年8月1日からは番組名「夢のひととき」(提供:ヤマト運輸/月~金 23:15~23:30)として1988年3月31日まで放送されました。1985年4月から1986年9月までは風間杜夫が、1986年10月から1988年3月までは林隆三が、それぞれレギュラーパーソナリティを務めています。放送開始時の雑誌宣伝コピーは、それぞれ次のようなもの。

「星のショットグラス」
『心をフィクションの世界に翔ばしていただくショート・ドラマ。月曜から金曜までの毎日、古今東西の傑作短編や文芸作品を、ストーリー・テラー風間杜夫が演じていきます。』
〔出典:「FMレコパル関東版」1985年No.10(P153)〕

「夢のひととき」
『音楽とドラマを一体化したニュープログラム/一日の疲れを癒し、ホッと息つく夜のひとときに、ショート・ストーリーと音楽でドラマチックなスペースを創りだすニュータイプのプログラム。』
〔出典:「FMレコパル関東版」1985年No.17(P139)〕

現代を舞台にした小説を原作とする事が多かったのですが、歌をモチーフにしたオリジナル音楽劇や、漫画を原作とするものも。山田章博作品以外に漫画原作で放送された作品は、谷口ジロー(画)「ルード・ボーイ」「事件屋稼業」、杉浦日向子「百日紅」、わたせせいぞう「ハート・カクテル」「僕のオールディーズはオールカラー」「私立探偵フィリップ」「ふたりだけのシーズン」、星野之宣「2001夜物語」、やまだ紫「しんきらり」、大島弓子「金髪の草原」「たそがれは逢魔の時間」「金色のミルクと白い時計」「庭はみどり川はブルー」「四月怪談」、山岸涼子「瑠璃の爪」など。わたせせいぞう氏はご本人がゲスト出演した事もあるようです。
FM東京以外に、FM北海道/FM青森/FM岩手/FM秋田/FM仙台/FM群馬/静岡FM/FM愛知/富山FM/福井FM/FM大阪/広島FM/FM愛媛/FM山陰/FM山口/FM福岡/FM長崎/FM宮崎/FM中九州/FM沖縄でも放送されていた模様 〔出典:web「星野宣之データベース」A&V作品・ラジオ番組 http://www.elec.mie-u.ac.jp:80/is/Hata/hoshino/A&V/index.html (*現在はサイトが消滅しているため必要な方はInternet Archiveでご確認を。)〕。ちなみにFM大阪では放送時間が19:40~19:55頃となっており、他の地域よりも少しだけ早く聴く事ができたようです。

ここでは、山田章博作品がどのような文脈でこの番組内で放送されたのかを検証するために作成した全作品のリストを掲載し、「夢のひととき」の世界をご紹介します。


「星のショットグラス+夢のひととき」放送作品一覧
(*PDF版/約1.1MB)

<ご注意!>
※ A3サイズで製作したExcelデータをPDF化したものです。計13ページあります。





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文責:初音むつな (魔法使いの弟子の見習い書記官)
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